Ta(l)king English Phonetics Across Frontiers というタイトルだけでは、これが学会論文集であるということは分からないのですが、発表が全部載っているわけではないということで、構わないのかな?
僕の論文は"Vowel Substitution Patterns in Japanese Speakers' English" です。発表内容をかなり整理してまとめたので、発表当時の「やっつけ仕事」感は薄れていると思います。当初の締め切りから半年、延期してもらった約束からは2ヶ月遅れての完成で、恐らくは僕のせいで論文集の刊行がここまで遅くなったのだと思います。既に、来年3月の BIMEP 2010 のアナウンスが出ています。
因みに、同じく去年の12月に参加した、Accents2008 という会議も、学会論文集が出るということだったのですが、内容があまりにまとまっていなくて、与えられた枚数で内容を整理するのは無理ということで、僕はこれには原稿を出しませんでした。実は、その前の年の同じ会議である Accents2007の学会論文集は Issues in Accents of English というタイトルで、同じ Cambridge Scholars Publishing から去年の10月に出ているのですがhttp://www.c-s-p.org/Flyers/Issues-of-Accents-in-English1-84718-864-8.htm、同じ出版社から出すと言っていたAccents2008の論文集はまだ出ていません。来年1月までの刊行リストにも載っていません。更には、会議のホストで論文集の編者である Ewa Waniek-Klimczak のサイトhttp://ia.uni.lodz.pl/englang/staff/ewaniekklimczakにある刊行予定の中にも入っていません。どうなってしまったんだろう?僕のように取り下げてしまった発表が多くて本にならないというのでなければいいがと思っています。(因みに、今年の Accents2009は、入試の仕事とぶつかるために、最初から応募を見合わせました。来年は何とかなるだろうか…。)
木曜日, 10月 22, 2009
BIMEP 2008 の proceedings
土曜日, 6月 06, 2009
イントネーションの重要度
Actually, イントネーション (intonation) is also used in non-technical senses such as difference in pitch, (prosodic) accent, etc....
To be frank, the fact that you need a translatoin for this book, which is writting in such clear, easy English, shows the (low) level of proficiency among Japanese teachers of English. I doubt if they ever need a knowledge of intonation when they cannot read the book in English!
That said, congratulations for your first book to have been translated into another language!
最初の段落は、Wellsの友人で台湾に移り住んだ言語学者が、「音調」ではなくて「イントネーション」なの?という話をしていたので、個人的見解を述べたもの。最後の段落に関しては、音声学の本としては初めてながら、彼が書いたエスペラント語の本などは結構色々な言語に翻訳されているそうで、すみません、見落としてました…といったところです。
問題は、真ん中の段落。今思えば、著者が喜んでいるところに、よくこんなことを書けたなと思うのですが、Wells は冷静に、この話題を自分のブログの記事にしました。
http://phonetic-blog.blogspot.com/2009/06/reading-about-intonation.html
著者としては本が売れれば嬉しいけど、実際のところ確かにそうだよね、という話です。
それで済んだと思っていたら、Jack Windsor Lewis がこの記事を取り上げて、ブログの記事を書いたのです。http://www.yek.me.uk/Blog.html#blog189 中でも、"I’m quite unable to remember any gross or important deviations from normal English patterns on the part of any of my Japanese contacts." と書いているのはとても重要です。
Windsor Lewis には、僕が初めて Summer Course in English Phonetics に参加した1994年に直接教わる機会がありましたが、あの職人的厳しさに思わず身が引き締まったものです。LとRの発音の区別のうち、gl- vs gr- が怪しい(Rの方で唇を丸めて誤魔化している)ことまで指摘されてしまいました。自分では全く気がついていなかったので、参りました、と言うより他にありませんでしたね。(いや、最初はちょっと逆ギレしたかも知れません。)
でも、Wellsの記事に登場した Takehiko Makino が、あの時教えた僕のことだということは、さすがに覚えていないでしょうね…。
イントネーションの重要度に関しては、IATEFL (International Association of Teachers of English as a Foreign Language) の Pronunciation SIG のメーリングリストで、Jonathan Marks (English Pronunciation in Use: Elementary の著者)が、議論を沸騰させたくて、次のような命題を投げかけています。
- There's no agreement about what the significant features of intonation are, or what purposes they serve.
- Intonation is unpredictable.
- Intonation is subject to massive variation in different varieties of English.
- Learners will pick it up, eventually, if they have enough exposure to English.
- It doesn't really matter, and trying to teach it is a waste of time.
- Most people, including most teachers, can't recognise intonation patterns - they can't even distinguish between a fall and a rise.
- Trying to teach intonation only confuses learners and does more harm than good.
(2009年7月3日改訂 Thanks to Tami Date)
水曜日, 6月 03, 2009
INTSINTを使える目処が立ったか?
去年の ChoPhoサマースクールに参加して、プロソディーの(音韻表記に対比する意味での)音声表記たる INTSINT のことを知りました。もっとも、INTSINT 自体は、Daniel Hirst & Albert Di Cristo (eds.) Intonation Systems: A Survey of Twenty Languages (Cambridge University Press, 1998) で使われていたので、単に僕が知らなかっただけだったのですが、これを音声ファイルから自動的に生成する momel-intsint というツール(音声分析ソフト Praat のスクリプト)も CorPho では紹介してくれたので、これには大いに期待していました。
これを使って日本語話者による英語発音コーパスにおけるプロソディーの記述(中間言語ですから、英語の記述体系も日本語の記述体系も使えないのは当然ですね)の基礎にできるのではないか?と思い、できれば夏以降の学会発表につなげたいと思っていました。しかし、何しろ他の仕事が忙しくて(翻訳書と辞書のダブルパンチです)、ずっと試せずにいました。思い返せば、CorPhoでの実習ではターゲット曲線は出てきたものの、INTSINT の記号列は出て来なかったな…と思い出し、夏に向けて準備するなら当てにして良いのかどうかぐらい試さなければということで、今晩改めて試してみたら、果たして、.int ファイルがないとかいうエラーメッセージが出てスクリプトが途中で止まってしまい、ターゲット曲線はできたものの記号列はできずじまい。あれあれ、これは困ったな…ということになってしまいました。
しかし、この momel-intsint には yahoogroups を利用したメーリングリストがあるのです。これに早速登録して、スクリプトが途中で止まってしまうんだけど、という投稿をしました。
すると、ほとんどそれに呼応するかのようにモデレーターの Daniel Hirst 氏から投稿があり、一昨年ザールブリュッケンのICPhSで発表した新しいアルゴリズムに基づいたプラグインをグループのファイル置き場に置くから使ってみて下さい、ということでした。
組み込みは、この zipファイルの中にあるプラグインフォルダを丸ごと、自分のユーザーフォルダの中の Praat フォルダにコピーするだけなのですが、Windowsでフォルダをコピー&ペーストしようとしても、(Macで圧縮してあるせいなのか)サブフォルダと同じ名前で容量0のファイルがあったりしてうまく行きません。しかし最終的に、TUGZip という圧縮・展開ツールを使ったらうまく行きました。
これを使ってみた結果ですが、見事に INTSINT のターゲット列が Praat の TextGrid として生成されました。もちろん、音声波形の然るべき位置に align されています。その生成された記号列をどう扱うかはこれからの問題ですが、ひとまず、プロソディーの記述に明るい光が見えたのでした。
しかし、TextGrid を扱うとなると、やはりコーパス構築にはこれをインポートできる ELAN が適しているのかな…。ELAN には Phonのような、発音辞書を使った入力支援がないのが辛いのですが、INTSINT が音声波形に time-align されている以上、time-align という発想がない Phon は合わないのかな…とも思います。しかし、target と actual という tier が予め用意されているというのも Phon がいいと思う部分だからなあ…。分節音だけ Phon で入力してそれをXMLにエクスポートし、更に ELAN にインポートすればいいのかな?分節音は波形に align し直しという感じで(target は何に align すればいいのか分からないけど)。しかし、ELAN を見ると、インポート可能なのは Shoebox, Toolbox, CHAT, Transcriber, CSV, TextGrid となっている。Phon のエクスポートは XML と CSV だから、この CSV がうまくマッチするのかどうかが鍵ですね。
なお momel-intsint のメーリングリストですが、アメリカ版の yahoogroups にあります。URL は http://tech.groups.yahoo.com/group/momel-intsint/ です。